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記事一覧

バルセロナ・テンペスト・1

 *この物語はフィクションです。登場する人物名・地名・団体名等、一切現実のものと関係ありません。 *この物語は、『上海レクイエム』の続編です。 プロローグ『善とは何であるか』 電話に出るなりそんなことを言われ、私は返事もせずに電話を切った。 向こうからかけてきておいて、名前も名乗らずそんな質問をしてくる人物の心当たりなど、一人しかいない。 と思いつつ、事務机の隅にぽつんと置かれた据え置き式の電話機...

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バルセロナ・テンペスト・2

 一章 Puzzle Of Water・1 ジューダスから電話があった日の翌日、私は早速飛行機を使って、上海浦東空港に向かうことになった。 一人ではない。 シンも一緒だ。 シンは、私が教師だったときの教え子の一人なのだが、諸事情あって、いまはユンの仲間であり私の友人でもあるショージに預かってもらっている。 そして、訳あって、シンは現在、中国に出入り禁止となっている。 そのことから私はシンをつれて行くことに反対し...

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バルセロナ・テンペスト・3

 一章 Puzzle Of Water・2 とたんに、兄の顔が歪んだ。「いい加減にしてくれ!」 悲鳴のような声。「イサベルが、あんなことになって、私だってまだ混乱してるんだ。妻も、あの日以来、部屋から出てこない。……頼むから、これ以上騒ぎを起こさないでくれ」「…………」 ホセは、わかった騒ぎなど起こさない、とは言わなかった。 何故なら、既に騒ぎは起こっているのだ。ホルヘの知らないところで。そして、ホセには、その騒ぎを...

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バルセロナ・テンペスト・4

 一章 Puzzle Of Water・3「そんな女が、ロペスなんかに引っかかるかねぇ?」 セルヒオは死体の方を見なくて済むようにドアにおでこを引っつけたまま、うめくように言った。無論、ユンとて言ってみただけのことで、本当にそんなことが起こったなどと考えているわけではない。「……それにしても、お前たち、妙に落ち着いてるな?」 ロペスに向かって遅まきながら手で拝むポーズをした後、ユンはアレハンドロに向かってそう言っ...

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バルセロナ・テンペスト・5

 二章 バルセロナ・クエスト・1 バルセロナにあるプラッド国際空港に着いたのは、夜の七時頃のことである。「寒い。……スペインは、太陽の沈まぬ国じゃなかったのか」 空港を出るなり、私はひとつくしゃみをしてから、そんな文句をたれた。辺りは既に夜闇に沈み、太陽の姿など影も形も見当たらない。今夜は曇りらしく、月も出ていないし。「夜だもの。それに、スペインだって十一月ともなれば、もう冬だよ」 とシンは首をすく...

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プロフィール

ふじきよ なお

Author:ふじきよ なお
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オリジナル長編小説中心の小説ブログ。長編小説『リオデジャネイロ・ライジング』完結。長編小説は『上海レクイエム』以降同シリーズの続編となっております。『ダチョウが空を飛んでいる』ぬるりと連載再開。どうぞごゆるり……。

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