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リオデジャネイロ・ライジング・2

 一章 雷雲・2

     *

 ユンも凪も知る由もなかったが、シオウとショージがいる大阪も激しい雷雨に見舞われていた。
「ひどい雨だな」
 アヤセとかいう『餓鬼』のメンバー(自称ショージの秘書、であるらしい)が運んできた茶を啜り、シオウは、ぼやくような声を出した。ユンから一報を受け、別の用事を大慌てで済ませて台湾から大阪に飛んできたのである。さすがに、疲れていた。
「何、ほんの通り雨でしょう。すぐに、やむんとちゃいますか」
 と、こちらも『大陸でちょっと大きな仕事』をして疲れた顔をしているショージが、でも、口調だけは楽しそうに言いつつ、タバコをくわえて火をつける。
 事実、楽しんでいた。
 ユンと凪は、チャン・ハオランに呼び出されてマカオに行っているのだという。
 凪の方の仕事の話らしいが、ユンがついて行ったところをみると、それなりに大きな仕事なのだろう、と考えて。
(また、大騒ぎせなあかんかもしれんなぁ)
 と思うと血が騒ぐのである。(ショージのこういうところを、彼の秘書アヤセは「どうかしている」と評し、凪は「仕事熱心」と評す)。
「そういえば……、向こうで妙な連中に会いましたよ」
 ふと、ショージは、そう話題を変えた。『向こう』とは、仕事で滞在していた『とある紛争地帯』の『外国人部隊』のことである。
「妙なやつ?」
 ちょうどタバコをくわえたところだったシオウは、不明瞭な声で発音しつつ小首を傾げた。
 ショージは記憶を正確に呼び戻そうとするように眉間にしわを小さく寄せ、
「そう、俺らと同じ小隊単位で参戦しとった連中で、『C.O.B.』とか名乗っとりましたが……。その『C.O.B.』の『カワタ』いう日本人が、『餓鬼』というグループ名は、どういう意味の言葉か、と、きいてきたんで、戦いに飢えた鬼の行く地獄のことや、て教えてやったら、『何だ、俺はてっきりchildren(チルドレン)の方のガキのことかと思った』って笑っとりましたが……」
「え、『餓鬼』って、そんな意味だったのか」
 グループ名の意味、などというものを、このとき初めて聞いたシオウは、ちょっとあきれた風に目を丸くした。ショージは苦笑いし、
「いや、何せ初代の付けた名前ですさかい、俺も知らんかったんですけど、姐さんに教えてもろうて……」
「凪から?……あいつ、相変わらず妙なことばっかり、よく知ってるな」
 シオウは、文句を言うような口調でそう言い、肝心なことは知らないことの方が多い癖に、と心の中だけで付け加える。シオウのみるところ、凪は、「そんなこと」とシオウには思われるようなことを知ったり考えたりすることが好きらしい。
「まあ、俺やったら絶対に付けん名前ですが」
 とショージがひっそり笑うのに、シオウはふと興味をおぼえ、
「じゃ、ショージだったら、どんな名前を付けてたんだ?」
 と、きくと、ショージは、ちょっと思案するような間を作った後、
「……例えば、ですが、『浪速兵団』……」
「……『餓鬼』でいいんじゃないか」
 シオウは、心からそう言った。
「そうですか? まあ、そんなことは、どうでもいいですが。……ところで、シオウさんは『C.O.B.』って団体、ご存知でしたか。俺は初耳やったんですが……」
「知っている……と思う。たぶん、だが、『Children of Brazil(チルドレン・オブ・ブラジル)』の略なんじゃないか……」
「ああ、あの、いわくつき集団……」
 と、ショージも、その名前なら知っている。
『Children of Brazil』。
 ブラジル、などと名乗っているが、それは同団体の本部事務所がブラジルにあるというだけの話で、その実態は、国籍問わず、腕に覚えのある者なら食い詰め傭兵だろうがならず者だろうが、何のこだわりもなくかき集めた傭兵集団であるらしい。
 ショージの言う『いわく』とは、よい評判よりも悪評の方が多いことを指す。
 シオウはさらに、
「名前を変えたのは知らなかったが、一度潰れかけたのを、ナントカいう新興宗教団体からの援助で持ち直したらしい、て噂は聞いてる」
「悪評が立ちすぎて、名前、変えたんかもしれませんな」
 とショージが軽く肩をすくめるのに、
「名前を変えたから経営方針が改善される、というわけでもないかもしれないが……。……まあ、ともかく、後で真相を確認しておこう。商売敵の情報は、一応把握しといたほうがいいからな……」
 とシオウがうなずいたとき、電話が鳴った。
 ユンからの電話である。
 ハオランとの話を終え、これから凪をつれて上海に行く、という簡単な報告を受けたシオウは、電話を切りつつショージを振り返り、
「ユンたちは、これから上海に向かうそうだ。俺も今からあっちへ行って、二人と合流しようと思うんだけど……?」
 と、どことなくねだるような目を向けた。一緒に上海についてきてほしいのだが、ひと仕事終えたばかりのショージに遠慮して言い出しかねているのである。
 ショージは、すぐにそれを察し、苦笑いをおさえかねつつ、
「俺も行ってよろしいんでしょうか」
 と問う形を作って了承してやると、シオウは素直に安堵した顔をして、
「助かる。悪いな、疲れてるところ立て続けに……」
「大騒動の誘いなら、いつでも大歓迎ですよ、こっちは」
 ショージは、凪がきけば「縁起でもないことを言うな!」と怒りそうなことを、笑って言いつつ、身軽に立ち上がる。

     *

 マカオ国際空港から浦東国際空港へ着くころには、とっぷりと日が暮れかけていた。
 空港には、ちょっと予想外の人物が一人で待ちかまえており、私とユンの姿を認めると手を振って合図してきた。
 サイレンス。
 遠目にも目立つ赤と緑に半々に染め分けた髪が特徴のこの男は、実は凄腕の殺し屋である。彼の『飼い主』であるジューダスの説明によれば、サイレンスは幼いころに自分の意志で声を出すことをやめたのだそうで、いまは成人しているようだが、相変わらず一言もしゃべらない。
「サイレンス、一人なの?」
 と、来ると思っていたジューダスの姿を目だけで探しながら問うと、サイレンスは返事の代わりににっこり笑った。たぶん、肯定しているつもりなのだろう、と私は思った。確かに私に見える範囲にジューダスの姿は、ないようである。
「たぶん、俺に会いたくないんだろうな」
 とユンが、ひっそり笑って言い、このユンの推測が当たっていたことは後でわかるのだが、それはそれとして、私はふと、サイレンスのティーシャツが気になった。
 サイレンスは文字の印刷されたティーシャツが好きらしく、いつもわかるようなわからぬような文言入りのティーシャツを着ているのだが、今日着用の黒いティーシャツには、
『ブラジルの首都はブラジリア』
 と白抜き文字でプリントされている。
 彼が、私たちがこの後ブラジルへ飛ぶことを知っていても、別に驚くべきことではない。ハオランさんが『例の老人』にそのことを相談しているし、『例の老人』は自らの世話係であるジューダスに当然そのことを話したはずだ。サイレンスはジューダスから事情を聞いて、『ブラジルの首都はブラジリア』ティーシャツをチョイスしたのに違いない。
 だから、私がつい眉をひそめたのは、彼が私たちのブラジル行きを知っている(らしい)ことに驚いたのではなく、
「……ひょっとして、あんたもブラジルに行くつもりなの?」
 という、これはメッセージである、と思われたからである。
 サイレンスは、私の問いに対し、コート(ひどく古ぼけている上、彼には少しサイズが大きいように見える)をはだけて、くるりとこちらに背中を向けた。ティーシャツの背面に記されている文言は、
『アルゼンチンの首都はブエノスアイレス』
 であった。
「…………」
 果たして私の質問に対する答えは、イエスなのかノーなのか。……どうなのか。
 判断に困ってユンを見ると、ユンは小さく肩をすくめ、
「……まあ、とりあえず、とっとと『例の老人』に会って話を聞こうじゃないか。すべてはそれからの話だ」
 と結論した。

 サイレンスの運転する車に乗って、じじいこと『例の老人』の住まうタワーマンションに直行する。窓外は雨もやみ、こぼれるような街の光。夜闇の中のプートン地区は、テーマパークのようにきらびやかだ。
(……だとすると、じじいの住む家、は、さしずめ化け物屋敷ってとこだな)
 ふと、そんなことを考え、考えている間に車は目的地に着いたのであるが、目的地であるところのタワーマンションのエントランスに入ったところで不測の事態が起こった。
 サイレンスがユンを押しとどめるような仕草をし、私に向かって、「一人で行け」という風にエレベーターを指すジェスチャーをしてみせたのである。
「え、私一人で行くの?」
 と私は戸惑った声を出し、ユンは束の間サイレンスをにらみつけた後、あきらめたように小さくため息をついた。
「仕方がない。凪、俺は、ここでサイレンスと待ってるから、一人で行ってきなさい」
 と、ため息の後に言い、さらに、その後、
「……一応言うだけ言っとくけど、あんまり『じじい』とか、『殺すぞ』とか口走るなよ」
 という注意事項を付け加えた。
 私は無言で、下唇を突き出してみせることをもって返事とした。
 相手がそもそもこっちを怒らせるようなことを言ったりしたりしなければ、私だって、そんな言葉を口走りはしない、と思って。

「じじい、てめぇ、いい加減にしないと、ぶっ殺すぞ」
 と私は『例の老人』のベッドの周囲を囲むカーテンの中に招き入れられるなり、そう怒りを発露した。私の言葉は日本語で発せられたものだが、じじい……もとい、『例の老人』とともに待ち受けていた世話係のジューダスが、さっそく中国語に訳して伝えてくれている。以後、『例の老人』の言葉は中国語で発せられたものをジューダスが日本語にして訳してくれたものである。
「なんじゃ、お前さんは、やぶから棒に。身動きのとれぬ瀕死の老体に向かって言う言葉か、それが」
 と老人がむくれてみせたので、
「誰が瀕死の老体だ。あと五十年くらい余裕で生きそうな根性してるくせに」
 と言ってやると、老人は嬉しそうに笑った。
「嬉しいことを言ってくれるじゃないか、『リーベン・シャオニュイ』。して、何をそんなに怒っとるんじゃ?」
 と嬉しそうに笑いつつ言う。ちなみに『リーベン・シャオニュイ』とは老人が私につけたあだ名である。
 この辺で私は既に何だかバカバカしくなっていたのであるが、今後のことを考えると、やはり自分が怒っている理由をちゃんと説明した方がいいと思い直し、
「じじい……じゃなく、ご老人、私はユンやシオウたちと違って、そんなに身軽に移動するようにできていないんだ。日本からマカオに行くだけだって、けっこう大変だったんだぞ。それを、『マカオにいるならちょうどいい、ついでに上海にも寄ってけ』みたいに気軽に呼びつけられたら、そりゃキレて当然だろう」
 と丁寧に説明したのだが、途中からジューダスが小さく肩を震わせ始めたことには気づいていた。どうやら、笑いだしそうなのをこらえているらしい。私は……何がおかしいんだ、この野郎、と思った。
「……お前さんな、それ、そんなに胸を張って大威張りで言うことでもないぞ?」
 と、老人が、あきれ顔で評し、私は、自分でも言ってる途中からそんな気もしてたのだが、
「……放っとけ」
 と、むくれた。老人は小さく笑い、
「やれやれ、情けないことを言うでない。マカオから上海くらいの距離を惜しんどるようじゃ、世界的な名探偵にはなれんぞ」
「……私は別に世界的な名探偵になる気はないし、私の中では、飛行機で移動する距離のことを、『くらいの』、とは表現しない」
 私は粘り強くそんな説明をし、でも、ふと、(我ながらさっきから不毛な話ばかりしているな……?)ということに気づき、さらに、(どうせ何を言っても無駄だろう)という現実にようやく思い当たり、
「……それで、私に頼みたいことって、何ですか?」
 と居住まいを正しつつ、強引に話を建設的な方向へ切り替えようと試みた。
 すると老人は、
「お前さん、オペラは好きかね?」
 と、私の質問を黙殺するような格好で、逆に、そんな質問をしてくる。
「オペラ……? オペラというと、あの、クラシックの歌劇のオペラのことですか……?」
 まさかケーキの話じゃあるまい、と考えつつ念を押すように確認すると、老人がうなずいて肯定したので、私は逆に困惑し、
「そりゃ、少しくらいは聴いたことはありますけど、好きというほどでは……。……私に頼みたいこと、に、オペラが何か関係あるんですか?」
 と問うてみたが、老人はこれにも答えず、
「少しは聴くか? だったら、『エレーナ・ムラカミ』という名は知っとるかな?」
 と世界的に有名なオペラ歌手の名前を出して質問を重ねてきたので、私は、ますます困惑した。
『エレーナ・ムラカミ』の名前なら、私も知っている。日系ブラジル人女性歌手で、本業はオペラ歌手でありながらジャンルにとらわれぬ音楽活動を精力的に展開し、日本でもその人気は高い。
「その人なら、知ってますよ。何曲か聴いたこともあります、けど……?」
 困惑したまま、そう答えると、老人はひとつうなずき、
「それは、よかった。そのエレーナがな、近日、『マナウス』というブラジルの街にあるオペラハウスで、コンサートを開くんだそうだ。そこで、じゃ。お前さんには、そのコンサートに行って、エレーナに花束を渡してきてもらいたい」
「…………」
 私は即答を避け、注意深く老人の表情を探ろうとした。
(まさか、この妖怪じじいが、エレーナ・ムラカミの大ファンで、だから花束を渡してきてほしい、などという話ではあるまい……)
 と考えながら。
 案の定というべきか、老人は私の意中を読んだかのように、
「実は、わしはな、エレーナのパトロンだったんじゃよ」
 と思いもよらぬ関係性を告白し、
「えぇっ?」
 と私は驚きの声をあげた。まさか、この、ねじくれるにもほどがある性格をした老人が、オペラ歌手を育てるなどという文化的事業に手を出している、など、私には想像だにしないことであった。
 私の驚きを受け、老人は小さく肩をすくめると、
「別に大した話ではない。わしは以前、エレーナの父親と事業のことで取引があってな。まあ、その取引自体、相手の不手際でぽしゃったのじゃが……」
「不手際?」
「詳しい話は、お前さんに話しても無駄そうじゃから省くが、要するに、やつ、とんでもない大ヘマをやらかしおってな、一気に破産まで追い込まれよったのよ。で、そうなると、困ったのはエレーナのことじゃ。あの娘、当時某有名音楽学校に通っておったが、学費も払えぬ状況になり、このままでは学校をやめざるをえん、という話で、だから、わしが残りの学費を全額肩代わりして、彼女が歌手として成功するまで、あれこれと支援してやったのじゃ」
 と老人は特に自慢そうでもなく、淡々と説明する。
 ちなみにエレーナ・ムラカミは、『マダム・バタフライ』のヒロイン役でデビューすると、あっという間に人気者になった、という、割に恵まれたキャリアの持ち主である、という話を私はどこかで聞いて知っているのだが、それにしても……。
「じじい……いやさ、ご老人、いいとこ、あるじゃないか」
 私は素直に感動した。
 が、老人が、また肩をすくめ、
「いや……まあ、話を聞いて一応娘の顔を見に行ったら、それなりに小綺麗だったし、だったら、歌の方はどうでも、どうとでも売りようがあるじゃろ、と思って」
 と言ってのけ、さらに、
「それに、まあ、お前さんみたいな人間相手には効果は薄いかもしらんが、有名人などという輩も知人としてキープしておけば、存外使い出があるものじゃぞ。実際エレーナも、見せびらかす程度の役には立ってくれたし」
 と付け加えたので、私の感動は、ほぼ消滅した。ちなみに、一応エレーナの名誉のために付け加えておくが、彼女の歌声は世界一と称され、ときに『神の声』などという異称をもって呼ばれることさえあるほどである。
 私は、感動は消滅したのだが、しかし、……まあ、でも結果エレーナ・ムラカミも歌手として成功したわけだし、じじいの方もちゃんと得をしたというのだから、これは決して悪い話というのではない。考えようによっては、エレーナにとっても、一方的に助けられるよりはよかった、のかもしれない、と思い直しつつ、
「ご依頼は、それだけですか?『マナウス』のオペラハウスに行って、エレーナ・ムラカミに花束を渡す?」
 と念押しで確認すると、老人は小さくうなずき、
「まあ、そうじゃな。それと、花束と一緒に手紙を渡してもらおうか。エレーナ側には、こちらから話をしておくから、お前さんは手紙を持ってブラジルに飛び、現地で花束を調達して件のオペラハウス……『アマゾナス劇場』とかいう名前だったかな、そこへ行くだけでいい……」
 と、ここでちょっと言葉を切ると、世にも意地の悪い笑みを浮かべ、
「どうじゃ、至極簡単な仕事じゃろ?……引き受けるかね?」
 と改めて問うてくる。
 簡単な仕事。
(行ってびっくり、……やっぱりそんなはずはなかった、な話なくせに)
 と思いはしたが、そもそも私の中に『断る』という選択肢など、はなからなかったのだ。この『例の老人』という人物は、ユンたちが彼らの仕事をする上で、重要な人物であるらしいのだから。
「もちろん、引き受けますよ」
 と返事をすると、老人は気軽な感じにうなずいて、
「よし、これで決まった。後は、詳しいことはジューダスからきくがよい」
 と、やや眠そうな声で言い、
「……エレーナと会うことは、きっとお前さんの役に立つじゃろう……」
 と、つぶやくような声で付け加える。
「……? どういう意味ですか?」
 思わず眉をひそめつつ、そうきいてみたが、返事は健やかな寝息であった。どうやら、言いたいだけ言って眠ってしまったものらしい。
(……どえらく自分勝手な睡魔を持ってるな)
 腹立たしさを通り越し、私はいっそ、そんな風に感心した。

『例の老人』が寝入ったのを見届けると、私はジューダスに伴われて寝室を後にし、応接室へ案内された。無論仕事の内容等の詳しい話を聞くためである。
「お茶でも入れましょうか」
 というジューダスの申し出を、私は首を横に振って断った。
「悪いが、ユンを下で待たせてるんだ。早く戻らないと」
「ああ、そうでしたね」
「何でユンに会いたくないの?」
 私が意地悪くそう問うと、ジューダスは、さも困ったという風に大げさに両手を広げるジェスチャーをしてみせ、
「ユンやシオウといった連中は、あなたと違ってとにかく目敏いですから。彼らに私の顔をおぼえられてしまうと、今後の活動に差し障りますので」
 とのこと。……私としては、『今後の活動』という言葉も聞き捨てならないが、さらに聞き捨てならないのが、
「……私と違って?」
 の部分である。
「あなたは、ぼけっとしていらっしゃいますからねぇ。私が背後に立っていても気づかないでしょうね」
 と、ニヤリとするジューダスを眺めつつ、私は……ほざいてやぁがれ、と思った。
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