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記事一覧

ラスげガス・ロストシティ・40(完)

 最終章 怪人たちの行方・3 セロ王子とナバシスを連れたショージとアレハンドロとエンリケを見送ると、私はユンと一緒に別の飛行機に乗り、ワシントンD.C.へと向かった。 到着したのは、夜。 その日はいったん空港近くのホテルに泊まり、翌朝、ユンたちの『組織』の本部があるというチャイナ・タウンへ向かうことになった。 ひどく疲れていたので、早々にベッドに入ったのだが、私はなかなか寝つけなかった。 いろいろなこ...

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ラスベガス・ロストシティ・1

 *この物語はフィクションです。作中に登場する人名、団体名、地名等は現実のものと一切関係がありません。 *この物語は「リオデジャネイロ・ライジング」の続編です。 プロローグ アメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.。 ユンは空港を出てタクシーに乗り換えると、チャイナ・タウンへ向かった。(……どうせ、説教だろうな) ユンは、そこに待ちかまえているであろう五大幹部の面々と、本人が名乗ったわけではないが本人が...

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ラスベガス・ロストシティ・2

 一章 Perfume Of Summer Midnight・1 ハオランさんの要請について、折り返しユンに電話をして相談した結果、ひとまず現場の一番近くにいるシオウに『ブルーリゾート・マカオ』に先行してもらい、私はショージとともにマカオへ向かうことになった。ちなみにシオウというのは、ユンの右腕と呼ぶべき存在の人で、ショージというのはユンの仲間で『餓鬼』というグループのリーダーだ。 ところで、ユン...

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ラスベガス・ロストシティ・3

 一章 Perfume Of Summer Midnight・2「でも、依頼をお引き受けする前に、もう一つだけ私の質問にこたえて下さい」 私は、そこでいったん言葉を切り、改めて部屋の中を見回した。デラックススィートには、プール(屋外)を含む数部屋があり、私のいる場所から座ったままでそのすべてを見ることはできないのであるが、ともかく、自分の目の届く範囲に私たち以外の人間がいないことを確認すると、「あ...

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ラスベガス・ロストシティ・4

 一章 Perfume Of Summer Midnight・3(相変わらず子どもでいらっしゃる……) ナバシスの目に、セロ王子の態度は、そういう風にしか映らない。これには、ちょっとした理由がある。もう二十年以上昔の話になるが、ナバシスが王宮勤務を開始して初の仕事は、当時赤ん坊だったセロ王子のおむつを替えること、であったのだ。 だけでなく、幼年時代のセロ王子に簡単な読み書き計算等基礎学問を教えたのも...

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ラスベガス・ロストシティ・5

 二章 P.S. I Hope You’re Alive・1「わしは、勝ち続けた者、だ」 と『例の老人』は言う。 相変わらずカーテンに囲まれたスペースの中央に置かれたベッドの上で、その視線を天井の一点にじっと固定させたまま。 ちなみに言うまでもなく、彼の言葉は中国語で話されたものをジューダスが日本語に訳して伝えてくれているものである。 いつものことであるのだが、カーテンに仕切られたそのスペースには...

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ラスベガス・ロストシティ・6

 二章 P.S. I Hope You’re Alive・2 だから、ルビア王子の名が出たのを契機に、(そもそも……ルビア王子様は、いま、何処にいらっしゃるのだろうか? 御無事であらせられるのか……) という目先の任務に集中すべく、いったん忘れることにしていた懸案を思い出し、さらに、(もし……セロ王子様までルビア王子様のように消えてしまったら……) と数珠つなぎに不安が発生し、ナバシスは、「うっ……」 と、...

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ラスベガス・ロストシティ・7

 二章 P.S. I Hope You're Alive・3「だから、いいんだよ」 シンはアレハンドロとエンリケに交互に顔を向けつつ、にっこり笑って言った。エンリケは、ちょっと眉をひそめ、「いいって?」「それってセロ王子に顔を知られていないってことだからさ。二人には、このまま、あいつに顔を知られないようにしてほしいんだ」「つまり……、セロ王子に気づかれず動ける仲間のサポートが欲しい状況なんだな?」 と、さすがにアレハンド...

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ラスベガス・ロストシティ・8

 三章 ショッピング・デモクラティシズム・1「そういえば、僕、ほぼ手ぶらで来ちゃったんです」 食事が済むころ、セロ王子が、ふと思いついたという風に言いだした。「このまま部屋で暇を持て余してるのも何ですし、ちょっと買い物に出ませんか。……何せ、ナバシスの目を盗んで出てこなきゃならなかったんで、荷造りなんてしている場合じゃなかったものですから」 と。 私は別に否やはない(というか、それを言う立場にない)...

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ラスベガス・ロストシティ・9

 三章 ショッピング・デモクラティシズム・2「……わかったよ、わかりました。じゃ、通訳、お願いね」 シオウはいろいろ言っていたが、これが口ゲンカであるならば、要は勝ちにいかねばならぬということであろう。私は小さく咳払いしてから、「人は国によって立つ、とおっしゃいますが、それはかなり個人差がある話なんじゃないですか? まあ、あなたは要するに国の偉いさんだから、そう思いたいのは無理もない話ですけど。その...

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プロフィール

ふじきよ なお

Author:ふじきよ なお
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元教師の女私立探偵と傭兵たちの冒険譚を描く長編小説のシリーズを中心にお送りするブログ。最新作『ラスベガス・ロストシティ』完結。

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