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記事一覧

ロサンゼルス・ロストシティ・36

 十二章 最後の審判・2(一体どこへ……?) この状況から、シュロンがディデスと顔見知りであった可能性は高く、ということは、シュロンをゴルドア側のスパイに仕立てたのはディデス、と考えるのが妥当だろう。 といって、シュロンがディデスの仲間たちと合流して戦線を離脱した、とは考えづらかった。シュロンはスパイにはなれても、ディデスの仲間には入れてもらえない……。「サイレンス!」 とある考えが脳裏に浮かび、ショ...

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ロサンゼルス・ロストシティ・1

 *この物語はフィクションです。登場する人物や地名、施設名等、現実のものとは一切関係がありません。 *この物語は「ラスベガス・ロストシティ」の続編です。 プロローグ 私立探偵である私は、傭兵斡旋業を主な生業とする(らしい。怖しいことは私にはわかっていない)謎の『組織』の中幹部であるユンとともにラスベガスでの仕事を終え、その報告のためにワシントンD.C.を訪れていたのだが、さらに報告を必要とする相手がい...

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ロサンゼルス・ロストシティ・2

 一章 フェーム・スター・1 ロサンゼルスのダウンタウンにある某有名ホテルの部屋で、クネイル首相は私たちを待っていた。 お互い姿を見かけたことはあるものの、私が彼にちゃんと会うのはこれが初めてである。「先日は、どうもありがとうございました」 あいさつの後、クネイル首相が礼の言葉を口にしたのは、リオデジャネイロの件を指してのことなのかアルドバドル大使館襲撃事件のことを指しているのか。……しかし、いずれ...

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ロサンゼルス・ロストシティ・3

 一章 フェーム・スター・2 もっとも、地元の友だちを危険なことに巻きこみたくないらしいアレハンドロは、エンリケを帰国させられたことに満足している様子である。 ともあれ。 再合流した仲間たちに、クネイル首相から請け負った仕事の内容について説明すると、まずショージが、「なるほど、今回の敵は『アルドバドルの英雄』ということになりそうですな」 と満足げにうなずき、私は……そういえばユンもクネイル首相と話し...

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ロサンゼルス・ロストシティ・4

 一章 フェーム・スター・3 シオウの推測は別に意外でもなかったのだが、私は、つい眉間にしわを寄せ、「そう思う?」 と念を押した。『サミー』というのは、ロスト・シティを束ねるボス的存在の人で、もともとは米軍に所属し、ブラックバーンとは同僚であったらしい。 しかし、眉間にしわを寄せたのは、いかにも一筋縄ではいかなそうな人物であったサミーに対する危惧のせいではなく(まあ、いくらかそれもあったが)、「困...

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ロサンゼルス・ロストシティ・5

 二章 クレイジー・ドリーマー・1 ユンいわく、「俺たちがビッグ・ボスと話すことができるのは、彼の方から声をかけてきたときだけなんだ」 なのだそうで、さらに、「しかも、いくつかある『本部』施設のどれを使うか、についても向こうが指定するシステムになっている」 というのも、「どの『本部』も使わないときは、店だの宿泊施設だのとして営業しているからな。いつ行っても使える、というわけにはいかないんだ」  と...

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ロサンゼルス・ロストシティ・6

 二章 クレイジー・ドリーマー・2「頼む。クネイルを倒してくれ」 全財産が入っているという薄い封筒を手にシュロンが頼むのに、エサルは返事をしなかった。 そんな会話を交わした翌日。「調子はどうだ?」 と差し入れを片手に訪ねてきたサミーに、「よくはないな」 とエサルは苦笑いでこたえたのであるが、昨日と比べれば声にも表情にも力が戻ってきていることが、サミーにもエサルにもわかった。 サミーの差し入れは、『...

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ロサンゼルス・ロストシティ・7

 二章 クレイジー・ドリーマー・3 この時点で私はゴルドアが何の用件で電話をかけてきたのか聞かされていなかった(聞く暇がなかった)ので、(何の用だったんだろう?) ということがリンダとクリスと同じくらい気になって、無駄にユンの横顔を見たのだが、私にはそこから何の情報も探り出すことはできなかった。「あら、あなたたち……今も何か仕事中なの? だったら……私たちが、あまり長時間拘束するわけにはいかないわね?...

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ロサンゼルス・ロストシティ・8

 三章 イノセント・ラバー・1「どうやらユンさんたち、大変な目に合うてるらしいな」 サミーの家から漏れている明かりを眺めつつ、ショージは、ユンからかかってきた電話の内容を、シンとアレハンドロに向かって説明した。 ロスト・シティは既に夜闇に包まれ、街灯の一つもない暗闇を、そこここの建物から漏れる光だけが、ぼんやりと照らしている。「サミーの替え玉かぁ。……でも、それって僕たちにとっちゃ、むしろラッキーな...

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ロサンゼルス・ロストシティ・9

 三章 イノセント・ラバー・2 何せ、同じ人を相手に先日死闘を繰り広げたばかりなのである。 ちなみに実際戦ってみた結果、エサルの戦闘力は無論高いが、サイレンスにはやや劣り、でも合理的に考え無駄のないスタイルで戦ってくるので、(……なかなか楽しかった!) とサイレンスは当時のことを、うっとりと思い出した。 ともあれ、(そうやって戦った相手と、今度は味方になるのか) という妙な状況に、妙な気分にはなった...

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プロフィール

ふじきよ なお

Author:ふじきよ なお
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元教師の女私立探偵と傭兵たちの冒険譚を描く長編小説のシリーズを中心にお送りするブログ。最新作『ロサンゼルス・ロストシティ』連載中。

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